ブログ

つくば里山住宅博

先日、パッシブハウスジャパンの研修会に参加してきました。

場所はつくば里山住宅博。ここは全体で75区画の大きな分譲地であるものの、コモンスペースという住民が共有できる広い緑の庭があり、個々が閉じこもるのではなく分け合い、自然との触れ合いを大切にした美しい里山風景を持つ住宅地です。その中のヴァンガードハウスとして建つ、建築家の森みわさんと、いばらきパッシブハウスの島田材木店さんがコラボレーションした家での勉強会です。

 

テーマは「アトリエのある小さな木の家」。限られた予算のなか、しかも南から45度振れている敷地でパッシブデザインに挑戦されたのは本当にかっこいい!外装は「塗り壁+天然木+ガルバリウム」でそれぞれが際立っており、また南側の一部が45度斜めに張り出していて良いアクセントになってます。玄関脇のアプローチには、車寄せスペースとしてデザインされた屋根が道路側の顔にも。

 

リビングやアトリエ・書斎空間は、ダイニングからレベルを下げて領域をやんわり区画。温熱性能の高い基礎外断熱ならではの優位性を高めてあります。このような段差のある計画でも、将来的には簡単にバリアフリーにできるように工夫されてあります。

 

いつもの通り美しい階段デザイン。アイアン手摺は私も大好きです。居室からロフトに上がる階段は、箱を互い違いに組み合わせた「サンバステップ」で遊び心満載です。

今回も登場のZehnder換気ユニット。PM2.5をも清浄してくれるトルネックスの集塵機と組み合わせて、さらに室内空気をきれいに保ちます。

日射取得・日射遮蔽のパッシブデザインに加えて、充填断熱+付加断熱+トリプルサッシで外皮性能は平均熱貫流率UA値=0.262、気密性能は相当隙間面積C値=0.18という高スペックな技術で仕上がっておりました。省エネ基準の義務化が見送られたり、エコハウスやパッシブハウスの認知はまだまだですが、このように大きな設備に頼ることなく「パッシブ設計+高い外皮性能+小さな設備」の組み合わせが、これからの時代の家づくりの基本になると思います。

 

PS:すぐ隣には、建築家の巨匠である堀部安嗣氏と伊礼智氏の物件も建ち並んでます。こちらも見ごたえありました。